わたしたちが育てるかぐら南蛮は、雪国新潟県に伝わる唐辛子の一種です。
ずんぐりした実をカットすると、目と鼻がツンとします。
うっかりその手で顔などを触ってはいけません。それくらい刺激的な辛さがあります。
ですが、火を通すと辛味はまろやかでコクがある旨味に。
その旨味と爽やかな辛味が、かぐら南蛮の特徴です。
みずみずしく肉厚で歯応えがよく、メインの具としても味わえるまさに“食べる唐辛子”。
このかぐら南蛮にひと手間加えた『巻機なんばん味噌』、収穫したばかりのフレッシュな『かぐら南蛮』、この2つをみなさんにお届けします。
畑作業を終え、視線をあげると目に飛び込んでくる巻機山。
わたしたちの農園は、上越国境にそびえる巻機山の裾野にあります。
ここは日本有数の豪雪地。ブナの森がたっぷりと雪解け水を蓄え、潤す自然豊かな大地で、
種からかぐら南蛮を栽培しています。
1年のサイクルはこんな感じ。
庭先の雪が消えるころ、土を入れたポットに種を撒き、
木々が芽吹くころ、畑を耕し、大きく育った苗を植えます。
ホタルが飛ぶころ、豊潤な緑色の実がたわわに実りはじめ、
田園が黄金色に色づくころ、真っ赤なかぐら南蛮を収穫しはじめます。
そして、誰もいなくなった畑はまた深い雪に覆われて、長い冬へ。
このように四季がはっきりとした雪国魚沼は、わたしたちの生まれ故郷でもあります。
かぐら南蛮の起源は、新潟県の旧山古志村(現在の長岡市山古志地区)にあるといわれます。
昭和20年(1945年)、長岡空襲のときに種とともに旧山古志村から南魚沼市旧塩沢町へ疎開した先人が、この地で栽培をはじめました。
これが、わたしたちが育てる塩沢系統かぐら南蛮のルーツです。
その後、半世紀以上の歳月をかけて一部の有志の手で大切に守られてきました。
そして、2013年に叔母からわたしたちの手に渡りました。
この希少な種を私たちの世代で絶やすことなく、次の世代へ。
食べることが種を守ることに繋がると考え、栽培、加工、販売を続けています。
かぐら南蛮は、和洋中・エスニック料理など、どんな料理とも相性抜群。
たとえば、パスタやピザなどのイタリア料理、ガパオライスやグリーンカレーなどの東南アジア料理、強火でさっと炒める中華料理・・・、料理の引き立て役からメイン食材まで汎用性が高い野菜として、幅広く食卓を彩ります。